第2回全国まち歩き観光サミット 報告

第2回全国まち歩き観光サミット 報告12月18日に岡山総社市であった第2回全国まち歩き観光サミットのご報告です。

いつものon y va!バージョンの要約ですので、意訳があると思います。

参加された方で、ここは違うよ。もっとここを書いてくれなきゃ!ということがありましたら教えてください!


本文は追記にて・・・・長いです(笑)

第2回全国まち歩き観光サミット まちを歩けば、もっとまちが好きになる。

日時 平成22年12月18日(土)13:30~17:00
場所 サンロード吉備路(岡山県総社市三須825-1)
主催 (特活)吉備野工房ちみち
協力 (一般社団)JAPAN ONPAKU
協賛 総社市観光協会
後援 観光省中国四国環境事務所・経済産業省中国経済産業局・国土交通省中国地方整備局岡山国道事務所・岡山県備中県民局・総社市・倉敷市・総社市教育委員会・岡山県観光協会・総社市観光協会・総社市文化協会・総社商工会議所・総社吉備路商工会・岡山県立大学・西日本旅客鉄道㈱岡山支社・NHK岡山放送局・OHK岡山放送・RSK山陽放送・㈱倉敷ケーブルテレビ・㈱エフエムくらしき・山陽新聞社・㈱岡山日日新聞社・宝福寺
     

基調講演
市長になった「長崎さるく博」の提案者 田上富久氏(長崎市長)
まち歩きからまちづくりへ~そして政策へ~

あるもの探しから始める。
お金があっても買えないもの。
作れても時間がかかるものが地域の宝。まちの宝。
(総社の場合は古墳、別府の温泉)
しかし、一番の宝は「人」
その町で当たり前のことが他所の人には非日常である。
一過性にならないイベントがを行うこと。

観光客の変化を読む必要がある。
観光客の減少は何かがずれている。
団体型⇔個人型
物見遊山⇔体験
男性主体⇔女性主体
観光と市民生活の分離⇔観光まちづくり
ICT化

この流れをつかんでいないと的外れな観光事業になる。

長崎市2006年アクションプラン
まち活かし、ひと活かし。
ないものは作らない。あるものを活かす。
コンセプト
まち歩きが楽しくなる仕組み、仕掛けづくり
長崎の新しい楽しみ方の情報発信。
個人向けに使えるもの→まちあるき。

これらを具現化したもの→まち歩き
・長崎サイズ
・しっぽく型⇔ちゃんぽん型
何でも詰め込むのではなく小さな範囲で深いプログラム。
地域性を活かす。まち歩きを深堀する。
・まち全体がパビリオン
・市民主体
・継続的とりくみ

2006年のイベント(さるく博)は顔見せにすぎない。
当初から3カ年計画だった。 

花街遊びもプログラムに入れる。
→別府のA級劇場巡りなど


まち歩きの成果
・まちに関心を持つ市民が増えた。
(高齢の男性以外にも増えている)
自分のまちのことをちゃんと知っている若い子が増えるという夢が現実に近付いている。
・埋もれた人材の発掘。

必要なこと
・外に学ぶ→別府
・モノマネではない、ヒントを得る。
・話がまとまらないは他所者が入ることで進むことがある
 (優秀なファシリテーターの必要性)

今までのガイド→勉強型ガイド
これからのガイド→物語ガイド(楽しみ中心)

計画する人と実践する人を分けない。
一番分かっている人が実践まで関わることで完成していく。


まずはじめにしたこと
まち歩きの楽しさを知ってもらうために市民向けの「さるく」を月1回始めた。
楽しいを経験するとみんな参加したくなる。
まちを歩けばもっとこうしたらいいのにが見えてくる。
安ければいいまちづくりから質の高いまちづくりへ。

どの町にもまち歩きのネタがある
・山鹿のまち歩き(1時間で100mくらいしか歩かない、1つのコースしかないが人気が高い)
住んでいる人が自分の町を見直す。

行政だけでは出来ない。
まち歩きは行政と市民が協働に対するトレーニングセンターだと思う。
行政と市民の信頼関係。
市民の力を活かすまちづくり


事例発表 まち歩き観光の仲間たち~まち歩き観光の事例発表~

香川県 県立志度高等学校商業科  地域商業研究チーム

源内をテーマにして地域ブランドづくり。
まちを学校に見立てて授業形式でまち歩きをする。

目的
地域の人たちに地域のことを3つ以上語れる人を増やす。

活動費は参加費から賄う。
赤字にならないようにする、ただし感覚的に高額にならないようにする。

入学式、卒業試験、卒業式なども行う。

子どもを巻き込んだまち歩き。


福島県・いわき DeLe助っ人湯本 里見善生氏
いわきは合併したための問題を解決するために始めた。
「げげすけっと」
まち歩きのきっかけ→散策と体験

下諏訪観光協会
イベント企画・運営は市民。
PR・チラシ作製は行政。
沢山のイベントをすると市民がつかれるので年2回だけ行うことにした。
食べ歩きのしくみで商店街を巻き込む。

岡山 特定非営利活動法人吉備野工房ちみち
マップをおこすことで地域の宝を発掘していく。
何もない地区もマップを作ることで自信が生まれる。
封筒になるマップ。
いろんな要素+古墳で「魅力」を上げていく。
人の発掘。

島根県 特定非営利活動法人まつえ・まちづくり塾
松江城築城記念イベントの中心がまち歩き。
ポイント!
・3~5分に一度うんちくを入れる。
・普段は入れないところに入る。
・ブレイクタイムを作る。

山口県 うべ探検倶楽部
ゆっくりのんびり歩くこと。人数も10~15人。
PRに力を入れた。これは協働で行った。
行政が委託を出して終わりではない。
行政には行政にしかできないことを、NPOにはNPOにしかできないことをした。

長崎県 長崎さるく
ガイドの印象 99.4%が良かった以上の評価をしている。
ガイドの魅力。
ガイドが話すことで発見を見つける。
リピート率5回以上が43% ガイドの数450人

課題
①モデルチェンジ
②さるくの産業化→市民から企画を募集する
③まち歩きフォーラムの開催(来年行う)
④子どもガイドの育成


大分県 別府八湯ウォーク連絡協議会
住民主体のまちづくり
住民が地元の魅力を発見
別府八湯のファンづくり


シンポジウム まちを歩けば、もっとまちが好きになる。

全国のまち歩き観光実践者によるパネルディスカッション

コーディネーター 三輪 真之氏(計画哲学研究所 所長)
パネリスト 田上富久氏(長崎市長) 里見善生氏(福島県いわき市古滝屋若だんな) 北澤勝己氏(下諏訪観光協会事務局) 加藤せい子氏(特活吉備野工房ちみち理事長)
 

「力み」はまち歩きにはなじまない?

田上市長
「へー」とか「ほー」とかいう心が動くこと、感動することがあれば人はそのことを話したくなる。
人は心が動くこと、そして逆の心が落ち着くこと両方が好き。
埋もれているもの、観光と思われていないものに人が集まる。
日の目に出してあげることが必要。

里見氏
地場産業は不況になったからと言ってそこから動くことができない。
地元の事を深く知って、地元を活かし、宿泊客が増えるようにしようとしたことが
まち歩きのきっかけだった。
ドイツバーデンバーデンのホテルにあった体験プログラム(一年間で1000プログラム)が素晴らしかった。
一年中何かしらのプログラムがあった。
駐車場は見せたくないものなので丘の下に隠して作ってあった。
見せたくないものは徹底して見せない。そのことで古い町並みが活きていた。

北澤氏
諏訪の滞在時間は10~15分。大型バスできて、諏訪大社を見学し、トイレに行ってそのまま駐車場から帰る。
諏訪に来る人を増やしても滞在時間が短いのであれば意味がない。
諏訪の滞在時間を増やすためにまち歩きを始めた。
町民と行政が一緒にまちの宝探しを始めた。肇は観光振興からまちづくりになった。
観光の振興→まちづくりネットワークづくり
5~10年のまちづくりではなく、30年、50年、100年のまちづくり。

加藤氏
広島の山の中から嫁に来て総社の便利さに驚いた。しかし、総社の方は総社には何もないという。
まちづくりを一生懸命する人は多いが、それを繋げる中間支援、ハブ機能必要。地域の中間支援が必要。
ということで吉備野工房ちみちを立ち上げた。
別府にオンパクを学びに行った。地元の人から別府は温泉があるから特別。総社とは違うと言われたが、オンパク、まち歩きはツールであり、システムである。温泉は関係ない。
総社でも同じように「みちくさ小道」を作った。
人を繋げる、PRする事が大切。。

田上氏
文化財めぐりとさるくの違い。
勉強ではなく楽しみがあるのがさるく。勉強とは違う、遊び心。
歩くことが目的ではない。まちを見直す手段。
他のまちの人と歩くことで見えないものが見えてくる。

三輪氏
まち歩きの実践前と後の違いを教えて欲しい

田上
具体的問題にぶつかる事でレベルアップしていく。
「問題がある」ということをはじめから織り込んでおく。

男性は入口が苦手。しかし、ハマるのは男性。

里見
地域のエゴ、足の引っ張り。
親が(30~40代)が地域のことを体験していないとその子どもも体験する機会がない。
地元の面白さを知らないまま育つと、その子どもも地元の面白さを知らない。

主婦向けのバスツアー(Iターン、他所から来た人)
他所者は石ころをダイヤモンドに見てくれる。→ダイヤモンドだと気づかせてくれる。
市内旅行、市民旅行からまちを誇りに思ってくれるようにする。
年に1人づつでも地域プロデューサーが生まれていけば10年で10人、100年で100人となる。
そうなれば地域は変わる。

北澤氏
意識は変わる。
子どもたちが参加したいと言ってくれる。
子どもはそこから学んでくれる。社会勉強となる。

加藤氏
マニアックな方とどう関わるか?
マニアックな方を巻き込むことで自分たちに知識がなくても厚いプログラムを作ることができる。
自己表現の場の提供。


三輪氏
まち歩きの今後の動向。将来への展望、希望など

田上氏
まち歩きはそのうち当たり前になる。

里見
地域と地域、産業と産業が繋がり、人と人を繋げる。
素材を好きになってもらった後、「人」を好きになってもらう。
ライバルは隣町ではない。中国、アメリカなど。
日本を誇りに思える人が増えるようにしたい。きっかけがまちづくり。
考える前に走る。走りながら考える。
まず歩くこと。歩くことは仲間がいなくても、お金がなくてもできる。


行政的な数字。
人の気持ちは数値化できない。
数値化できないからお金が着かない。このことがジレンマ。

加藤
歩くことでまちの顔が観光の顔から素の顔が見えるようになる。
まち歩きをしている人、新しいことをしている人ってステキ!かっこいいと思ってもらえるようにすること。
愛とか誇りとか死語みたいな言葉を「なんか良いね」って思えるように。

メッセージを

加藤
まちを歩けばもっとまちが好きになる


すぐ始めよう。

里見
ヒトモノカネ情報がなくてもすぐできる。

田上
「人」の力。郷土を愛する心、想いだけは擦り減らさないように。
想いを大切にしていって欲しい。




Posted by On y Va! at 15:51│Comments(4)
この記事へのコメント
丁寧なレポートありがとうございます。

時代変化を読めない地域、自分の足元にお宝が眠っている事に気付かない地域は衰退しますね。
Posted by 呼子お助け呼子お助け at 2010年12月23日 00:33
レポート感謝です!

色々と参考になります。
視点を変えて、センサーを磨いて、たくさん話をして
多くの人と繋がりながら考えてみたいですね~
Posted by ぽん太ぽん太 at 2010年12月23日 14:16
遠い有田から、ありがとうございました。
参加とレポートとしてくださり、ダブル感激です。。。

『まちを歩けば、もっとまちが好きになる』

地域の宝を掘り起こせですね。


佐賀にも行きます。

必ず・・・
Posted by オードリー at 2010年12月23日 15:30
>呼子お助けさま

それをどう伝えていくか?
実際にまちを歩くことでしか伝わらないこともあると
お結びウォーキングin有田をして気が付きました。

続けて行きたいですね。



>ポン太さま

私のアンテナに引っかかったフレーズだけのレポートなんで
申し訳ないんですが。

2月のお結びは絶対に良いものになると思います。
沢山の方を巻き込んでください!
(私には出来なかったけど・・・)

>オードリーさま

お世話になりました。
有田には多くのポテンシャルを持っているにも関わらず、
地域が広いとか、長崎のように集まっていないとか、
何かしらマイナスなことを言われてしまいます。
そんな人はあとから参加してもらっていいので
まずは自分から!

佐賀に絶対に来てください。
お待ちしております。
Posted by On y Va! at 2010年12月27日 09:33
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